読書

『原発のコスト』大島堅一

遅ればせながら、大島堅一著『原発のコスト』(岩波新書)読み始めました。ちょっとしか読んでないのに、知らない知識ぼろぼろ出てくる。ふとみた、本文59ppの原子力損害賠償法についての詳しい説明の冒頭のとこ、原子力災害においては電力事業者が、「過失…

人の言ったことを消化しようとするときに、鈍感で大きなことを言ったり意識に載せる時がある。人が好意的だと、余計そうなる。Yらさんと会ったときに哲学ってなんだろという話になって、哲学がなかったらなんにもできない、と植物の絵を描き続けているYらさ…

ブローティガン

『芝生の復讐』。なんかね、ビートニクの人なんですね、これがある時代を引っ張って行った、文学なのは感じられる気がするんですが、なんでか古い、おじいさんたちのもののイメージがある。訳のせい?ちがうか。「キリスト教のこっち側」っていう表現が出て…

タブッキ

訃報に接して、かつて見た映画、「インド夜想曲」どんなだったっけと考える。印象が部分的にしか残ってない。原作読んだ。道に迷った上に、地上からも浮かび上がってしまう、みたいな話。エピソードどれも面白い。小説的なものをひたすら、もう十分だという…

かいらく

円城塔『道化師の蝶』芥川賞読みました。出だしでこのひとはいつからこんなに普通の言語感覚になったか、と残念に思ったが甘かった。小説の顔を保ちつつばらばらと辻褄なくこぼれる描写のかずかず。五章にわたって謎がいっぱい。言葉の網ってのはソシュール…

『「出雲」という思想』原武史

日本の近代の、復古神道とか国家神道のことを書いた学術書。アマテラス=伊勢神宮とオオクニヌシ=出雲大社の位置づけがいれかわる、本居宣長とか平田篤胤を通じて。(日本史知らないのであちこちですごく苦労する。) でもまあ面白い。日本人が死後行くのは…

つっかえつっかえ

読みました。ひとたび高校のころに帰ったような、そしてそれは原点でもあるような。太田出版万歳でもある。よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり作者: よしながふみ出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2007/10/04メディア: 単行本購入: 18人 ク…

ひさしぶりに読書

小出さんはどういう文章を書くんだろうという興味と、私にあまりにも放射能について知識がないので、読みました。チェルノブイリ後に出された本。こうして読んでみると事実を知って、受け入れることの大切さが伝わってくる。8000キロ離れた日本にもチェ…

一昨日、髪を切って染めた。医療事務の、朗らかだったり無表情だったりするいろんな女性みたい、くらいしか感想はなく、そのうち胸の内臓のあたり、以外はみんな自分のものじゃないような気になって、変わらない部分に執着してるみたいでよくないなあと思う…

正風遠州流生花

正月に読むのにいいかな、と思ってます。やっとのことで遠州流のテキストとなるこの本が古本でみつかり、ほっとしている。ちょっとはお華上達するんではないか、いやそんな甘いもんではないかも。よけいにハードル高くするだけかも。でもいいんだ。正風遠州…

いちばんここに似合う人

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)作者: ミランダ・ジュライ,岸本佐知子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/08/31メディア: ハードカバー購入: 16人 クリック: 533回この商品を含むブログ (103件) を見る短編集。滅法おもしろかった。読ん…

新潮1月号

山城なんとかさんというひとの、「神的批評」のレビューが迫力。そっかーそんなに肩入れする本なのかーと、というか本よりレビューのほうがおもしろい気がしてしまうのは気のせいか。

神的批評 大澤信亮

まだ一章目の宮沢賢治のとこと二章目の柄谷論ちょっと読んだだけだけど。なんか歴史的な知識があればとばせるのでは(読者が)と思う箇所が多くて読んだ気がしない。前評判が良すぎてあれ〜という、よくある選書ミスですね。批評、ていうより論文にしちゃえ…

堀内誠一『父の時代 私の時代』

前に展覧会に行ってきた堀内誠一氏の自伝。自伝というかエディトリアルの仕事にまつわるエッセイのようなもの。すごーく昔のことが書いてあるんだけど、当時脚光を浴びていたそうそうたるメンバーとの交友録でもあって、名取洋之助とか今のミノルタの前身の…

大奥6巻

よしながふみの最新刊でましたな。綱吉に引っ張られて疲れました。切ない。5巻から切なかったけど、だん、だんと来ました。母に「死人がでて怖いよ〜」といって脅したら逆に「ロマンスはないのか」と訊かれました。ロマンス、死語じゃない。狭い廊下で読んで…

ananやBRUTUSの発刊当時に活躍した、ロゴデザインも考案した堀内誠一というアートディレクターが、ぐるんぱのようちえんの作者だとはそれだけでもうすごい。ぐるんぱのようちえんは、ぞうのぐるんぱがぞうのみんなに洗ってもらってきれいになって、泣いてい…

愛の続き イアン・マキューアン

ずいぶん前に買っておいてあったのを出してきて読んだ。恋愛ものじゃなくて、恋愛も描かれているんだけどサスペンスで、映画向きで、映画化されたのを見たら楽しそう。真実がぶれて、だれにも手の届かないところへ行ってしまって、絶対に到達できないという…

Sof’Boy

読みましたよ。出だしは主人公ソフボーイがいくら車に轢かれても大丈夫なだけかい、と思ったが不気味かわいいこのキャラクターがじんとくるラストでしたね。しかし友達の鳩も猫も犬もむちゃくちゃかわいくない。そういうところがアメコミらしい気もしました…

『巨匠とマルガリータ』読み終えた。描写に描写、心地よいのでふらふらと読んでしまう絵画的な文章だが、意味が取れないことがいっぱいだ。たとえばフォークナーだったら、こういう意味のない描写はしないだろうなと思うんだが。いやキリスト教の知識が足り…

ブルガーコフ

『巨匠とマルガリータ』下巻途中まで。めちゃくちゃをやる聡明な女っていいな。

「コレラの時代の愛」G.ガルシア=マルケス

読みました。帯にあった、歳月を越える真実の愛とは何かというのは表向きのテーマで、(主人公アリーサは確かに何年も恋人のことを想いつづけるわけだが)実は愛のもつ様々な様相をじつにリアルに描いたもの、という気がした。老いると愛はどうなるかいうこ…

悪霊

8月に読み始めもう気がつけば10月。やっと読了。地位ある人もない人も滑稽さをこれでもかこれでもかと描くのは最後まで変わらなかった。最後どうしてこうばたばたと人が死んでいく終わり方なんだろう。シャートフ死んでしまってつらかったのもつかの間、ステ…

やめられなくなってきた

『悪霊』下巻3分の一くらい。いままでのたるさを吹き飛ばしどんどん物語が進んでいく。ひどい人がいっぱい出てくる。ステパン氏の息子なんかひどい人過ぎて気持ちいいくらいだ。登場人物で誰が好きかというとスタヴローギンと答えそうになるのをおさえてキリ…

こわいよ〜

「悪霊」ようやく上巻の終りのほうになって盛り上がってきた。なんだろう。この本のはやっていたころ、(ってたぶん60年代とか?)のもつ「枠組み」がある。もう21世紀になってそれは通用するだろうか。反体制、みたいなの。スタヴローギンの魂、って前に書…

悪霊

キリーロフくん出てきた。

夏休みなので

「悪霊」読んでます。これ昔一回挫折しているもの。まだ最初ごろ、シャートフくんやっと出てきた。久しぶりの読書なのでステパン氏みててもすごく面白い。どの人も心理描写いっぱいで。みんないじわるっぽい描き方をされている。悪霊 (上巻) (新潮文庫)作者:…

装画を描くコンペティション

ギャラリーハウスMAYAの主催のコンペ、初めて応募したのはもう3年前。今度こそ、と思っているうちにどんどん知名度が上がっていき競争率も高そう。課題図書読んでます。 エリザベス朝文学!新訳もあって読み比べてみると楽しいです。いっかな描こうとい…

草迷宮

戻った。すこし見えてきた。はつらつ怪奇もの。

鏡花すすすと行って相関わからなくなり戻ればいいのにそのまま行ってしまい迷子。毬は出てきたが猫はなんだったのだろう。消えてしまった人はどこへ行った?飛び出る鮮やかなシーンも背景わかんないと・・・。

最近これ読んでます。草迷宮 (岩波文庫)作者: 泉鏡花出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1985/08/16メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 44回この商品を含むブログ (28件) を見る