「コレラの時代の愛」G.ガルシア=マルケス

読みました。帯にあった、歳月を越える真実の愛とは何かというのは表向きのテーマで、(主人公アリーサは確かに何年も恋人のことを想いつづけるわけだが)実は愛のもつ様々な様相をじつにリアルに描いたもの、という気がした。老いると愛はどうなるかいうこともその中のひとつにすぎない。私はウルビーノ博士とフェルミーナ・ダーサの夫婦間に流れるものが好きだ。喧嘩をしたり仲直りしたりというのはこうも実のあることだったのか、とハタ、となる。それと計算されたのかどうか知らないが、恋のやりとりのディテール、手紙をどこに隠して読んでもらうかとか、オウムの話とか、読んでるだけで幸せになってくる。終わり方は本当にガルシア=マルケスだなあという感じのハッピーエンド。母の友人から借りたものだけど、この本に会えて幸せでした。

コレラの時代の愛

コレラの時代の愛