巨匠とマルガリータ』読み終えた。描写に描写、心地よいのでふらふらと読んでしまう絵画的な文章だが、意味が取れないことがいっぱいだ。たとえばフォークナーだったら、こういう意味のない描写はしないだろうなと思うんだが。いやキリスト教の知識が足りていないのかも。どうせならばファンタジックすぎる下巻のマルガリータの登場以後より、上巻の怖い怖い話のほうが心ひかれるものがある。サタンの不気味さってこうか。そのうえで「魔女」となるマルガリータは本当に魅力的だと思う。そしてピラトの物語は美しくてよかった。あとでブルガーコフの略年表読んで、共産主義下でイエスの物語描くのは大変だったことだろう、サタン中心に据えるしかなかったろうみたいなことをぼんやり思った。サタンていままで人格神じゃないような気がしてた。はあ人格神だとこういう感じになるのかと感慨深し。