『「出雲」という思想』原武史

日本の近代の、復古神道とか国家神道のことを書いた学術書。アマテラス=伊勢神宮オオクニヌシ出雲大社の位置づけがいれかわる、本居宣長とか平田篤胤を通じて。(日本史知らないのであちこちですごく苦労する。)
でもまあ面白い。日本人が死後行くのは天界とか黄泉の国じゃなくて冥府、それはこの世のうちにあってこの世と重なっている。生きているものからは感じられないけど、とか。国生みと国造りは違うとか。常世の国というのがどこかで出てこないかなと思って読んでいる。少彦名命は出てきた。
思い出した歌「因幡の白ウサギ」
 大黒様はあわれがり きれいな水で身を洗い
 がまの穂綿にくるまれと よくよく教えてあげました
 
 大黒様の言うとおりきれいな水で身を洗い
 がまの穂綿にくるまれば うさぎはもとのしろうさぎ
 
 大黒様は誰だろう オオクニヌシのみこととて
 国をひらいて世の人を 助けなされし神様よ

三番は戦時になって付け加わったようです。

<出雲>という思想 (講談社学術文庫)

<出雲>という思想 (講談社学術文庫)