■
一昨日、髪を切って染めた。医療事務の、朗らかだったり無表情だったりするいろんな女性みたい、くらいしか感想はなく、そのうち胸の内臓のあたり、以外はみんな自分のものじゃないような気になって、変わらない部分に執着してるみたいでよくないなあと思う。それがこの本読んですっと憑きものが落ちたみたいに、自分というものがある気がしてきた。
前に一度、文芸誌でおっかけ読書してたとき、とても気に入っていたひとの書いた本。事件とか、小説的(悪い意味で)な描写をしなくても、そのあいだに、陽だまりのように見つかる人間の姿。想像力の文学シリーズ、よくもまあこんなに素晴らしい企画を思いついたものだ。読んでるときこれは途中で何も食べられない、というかたばこと水だけでやりすごす、と決心。読み終わって食事して、自分の動物ぶりに嫌になった。
- 作者: 横田創
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 480回
- この商品を含むブログ (20件) を見る