ひさしぶりに読書

小出さんはどういう文章を書くんだろうという興味と、私にあまりにも放射能について知識がないので、読みました。チェルノブイリ後に出された本。こうして読んでみると事実を知って、受け入れることの大切さが伝わってくる。8000キロ離れた日本にもチェルノブイリ放射性物質は来ていた、そうして幾多の核実験により地球はもうかなりのレベルで汚染されている。そこで、放射線から身を守る方法はもうないと小出さんはいう。今なんかもっとそれが当てはまる。そしてチェルノブイリの時、日本がソ連産とか、ヨーロッパ産のものを放射線の量によって輸入規制する、というための運動は、原子力がいたって社会的には差別と抑圧の構造をもつものであるという点を鑑みれば、おかしい、原発の恩恵をうけている日本は放射能を浴びた食物を食べる責任があるという。他の人に強要はしないけれど、と。そのへんの宗教学者より宗教的な生き方だと思う。そしてわたしはどうするのか。放射能を食べたくはないけれど、他の人に、たとえば子供に食べさせるのを避けるために食べるならもうしょうがないか、と思う。大人だし。しかしそれは別のエゴイズム。この本の半分は講演録、半分は論文として書かれたもの。物理学の論理性かな、特別に論理的にわかりやすかった。

放射能汚染の現実を超えて

放射能汚染の現実を超えて