悪霊

8月に読み始めもう気がつけば10月。やっと読了。地位ある人もない人も滑稽さをこれでもかこれでもかと描くのは最後まで変わらなかった。最後どうしてこうばたばたと人が死んでいく終わり方なんだろう。シャートフ死んでしまってつらかったのもつかの間、ステパン氏が家を出ていくところもつらい。誰が死んでもつらい。豚に乗り移った悪霊はみんな死んでしまいました、なんだろうか。というか物語の作り方が何か不満。作品の中の人の死がつらいと感じるのは久しぶりだ。スタヴローギンの魂を考えるに、都合のいい後日草稿が最後に出てきて、ああそうかあと思う。私の卑近さではだめだな、このひとには。想像力で補うしかない。ちょっと生命のオーラが強くてそのために不幸になってしまっている人。そしてなんでピョートルだけ生き残るんだ。豚の比喩はスタヴローギン一人の中に生じたことなのかもしれない。