夢に出てくる、現実に出てくる

3月19日に急逝された安西水丸先生のこと、今日うたた寝していたら夢をみた。私の、絵のいっぱい飾ってある家に訪ねてきてくださるという夢。安西先生は生前のころ私の「つらい」夢の常連で、大抵現実に行っていたイラスト教室の形の変えたものの中に講師としてこられて、ガン無視されたり、作品が私の手元になくて見せるものがない、どうしよう、みたいな夢。イラスト教室卒業してから、数年教室に近づけなかったけど、勇気だしてOBコースに登録したとき、夢の中の安西先生は「もう夢の中のことはこれで終わりです」といった。実際の私のことはOBコースでも全然覚えておられなかったが、事務のスタッフの方が批評会のあと事務室で「○○さん(の絵)はどうですかね」と聞いてくださり、先生は「ああ、あのすぐにも仕事できそうな人ね」と言われたという。直接お話しする勇気のない私だったが、ありがたかった。
亡くなられてからも、先生の週刊文春のカットの連載が続いている。ほぼ毎号、これで最後なんじゃないかという不安とともに買っている。
昨日、私は週刊誌のコラムのカット仕事の締切だったが、案をライターさんと編集さんに見せるのに、絵の説明を丁寧にした。なんでもいいから選んでくださーいじゃなく、ライターの方たちの理解を得ることを目的にした。絵がよかったらもろ手をあげて承認されるんじゃ、というのは妄想に近い。いい絵が描けなくてもその時点で描けた絵は丁寧に説明しなければならない、と思う。それで、好意的な夢を、見たんじゃないか、と勝手に思っている。水丸先生はずっとこれからも生きておられる、としか思えない。