武田邦彦氏は日本を信じるか

節約するというのは、3.11以降の日本にとって有益な概念なのだろうか。お金の使い方で、社会を変えることがもし可能ならぜひそうしたいところだ。武田邦彦氏のブログはこちら「環境のために節約している女性をみたことがない!?」この中で武田氏は節約というのは政府がやってる無意識のプロパガンダなのであって、貨幣経済のもとでは、原理的に「節約」などできない、「環境のために節約」など無論のことできない、と言っている。政府が行っているのは「東京ピンハネ構造」にいかにして国民を巻き込むかということだという。節約をうったえる知識人と、節約した金を銀行から国債に回して官僚が得をする、という構造だ。これ初めて知って驚いたけど、じゃあ、どうすればいいのか。武田氏はどんどん消費することによって経済をまわしていかないと「日本国は衰弱」すると述べている。ということは、彼は「日本国が衰弱することを望まない」そして経済成長ということを追いかけるのが正しい、と言っているのだ。
一方で、電力会社の株を保有している銀行から預金を引き出す、という潮流もある。調べたら、関西電力の筆頭10位の株主の中に私の利用している(ほんとにほんとに少額だが)銀行がある。M銀行。3年定期で0.06%の金利が付く。電力株もってないR銀行は、同じ3年定期でその半額の金利だ。銀行変えるとこちらが損をするわけだ。ここで、もし仮にR銀行に預金すれば、低金利で中小企業に貸し付けることを応援することになる。電力株は、銀行によって結果的に手放される、ということにならないだろうか。そして私はその減った金利分を「節約」するわけだ。これが本当の「貨幣経済の下でもできる節約」とはならないだろうか。「降りる場所」ではないだろうか。経済成長からみればおかしなことだが、日本のGNPが減っても、日本はいい社会になる、という希望にならないだろうか。
経済成長ではなく、別のまったく違った価値観を考えるきっかけになった本。「全人類がヒバクシャかもしれないこの世で、私たちは降りる場所をこれから創造しなければならない。」(「おわりに」より―田中優子

降りる思想―江戸・ブータンに学ぶ

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武田氏からするとこれも「知識人による節約のプロパガンダ」となってしまうのかもしれないが。