「文学と悪」

子供時代の世界の至高性は、社会の規範に道をあける。なぜならそういうものを許していては社会が立ち行かなくなってしまうからだ。善とは未来を志向するものであるので、それ以外のキャサリンヒースクリフの共有した子供の王国は悪なのだ。そうか。そしてエミリ・ブロンテの神秘体験について述べられたところで、アンドレ・ブルトンは「精神にはある地点があって、そこからは、生と死と、現実的なものと想像的なものと、過去と未来と、伝達可能なものと伝達不可能なものと、高いものと低いものとが、矛盾として認められなくなる、そんな地点があることを」と言ったことが引用されている。