ニシノユキヒコの恋と冒険

クロッキー会の帰りに読みました。10人の女性の一人称の短編からなる小説で、それぞれにとってのニシノさんが語られる。あとがきで「ダメ男」あつかいされているけど浮かび上がってくるこのニシノさんはとてもチャーミングだと思う。私はいつも一人でいるけれど、恋人と二人でいることの、透明な、時間と空間が新鮮だった。こう考えると、ニシノさんがじゃなくて、それを語る女性がチャーミングなのかも知れない。印象に残るのは「草の中で」。私は「おやすみ」が好きだ。しかし編ごとの文体の使い方の違いがすごいなあ。