怒りとか悲しいとかにどっと押し寄せられて寝転んでたらこの本があった。読んでみた。当時文壇を賑わしているひとびとについて。

彼らの哲学は、彼らにとってよそごとなのだ。

不幸な境遇に陥ったルソーが、心の安寧を得るための原理はこうだ。

そして、よし僕には解明できない異論でも、それとは正反対の、そしてそれに劣らず強力な他の異論によって反駁されうる異論にはこだわらないことにしたのである。この種の問題における独断的な口吻など、およそ香具師にしか似合わないものである。それにしても自家用の感情をもつことが肝要だ。そして、判断をねりにねったうえで、その感情を選択することが肝要だ。

自家用の感情。感情もひとつの行為なのだった。

孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)

孤独な散歩者の夢想 (新潮文庫)