「逆まわりの世界」
近未来SF。時間が逆行する話。死人は墓のなかで生き返り、煙草の吸いさしに火をつけると煙草が長くなってく。書かれた書物は「消去局」の手で書かれなかった状態、インクと紙に戻される。この小説のこわいところは、「消去局」が図書館と組んでいるところ。教祖を拉致したりする。しかしアメリカの小説は核の描き方が安直すぎて怖い。フランソワ・トリュフォーの「華氏451°」にも本を違法として取り締まり、焼く、という話がでてきた。最後には口承で本を伝える人々の理想郷に主人公はたどり着くんだけれど。

逆まわりの世界 (ハヤカワ文庫 SF 526)

逆まわりの世界 (ハヤカワ文庫 SF 526)