大好きなアメリカ人作家エリカ・ジョングの「飛ぶのが怖い」に、主人公が長らく通ったセラピストをやっと止めて、帰りに「まだ買い物で自分をなぐさめなければならなかった」と、白いハイヒールを買うシーンがある。今日知り合いの個展を見てきて、阪急のマーク・ジェイコブスでカードで初めての買い物をした。買い物。こんなことではいかんという自覚もなく。

飛ぶのが怖い (河出文庫)

飛ぶのが怖い (河出文庫)

河出書房ってつぶれたと思っていたのは私だけか。新社になって蘇ったんだったか。この本の、お母さんが子どもたちと一緒にスケートをするところがとてもいい。「挫折した芸術家ほど悲惨なものは」なく、娘である主人公に「イザドーラ・ゼルダ」という名前をつけて恨めしがられるお母さんなのだ。セラピスト全盛のアメリカの描き方もいい。